2012年02月02日

お金より命に共感 根元きこさん

お金より命に共感 根元きこさん

根元きこプロフィール
主婦。住み慣れた逗子を離れ、家族で沖縄に移住。めずらしい島の食材で料理をたのしむ毎日。ツイッターのアカウントはkiconemotoです。主な著書「こどもと食べるごはん」文化出版局、「もののかたち+たべるかたち」ソニーマガジンズ



お金より命に共感」より転載
神奈川県逗子市でカフェを経営し、フードコーディネーターとして活躍、食や暮らしに関する著書やエッセーも多数ある根本きこさん(37)は去年3月、東村に家族で移住した。川のせせらぎと鳥のさえずり、風が樹木を揺らす音に包まれた日々の暮らしや、今思うことについて話を聞いた。

〈カフェは遠方から来るファンもおり閉店を惜しむ声も多かった。移住は勇気がいる決断だったのでは〉
 3月11日、福島第1原発が爆発したと聞いて「逃げなきゃ」と思い避難することを決めた。事故前から原発に関心があった。原子炉に必要な核燃料「ウラン」を採掘している海外の一部の地域は、小児がんや白血病の罹患(りかん)率が高いと知り、5年ほど前から「人に優しいエネルギーではないな」と感じていた。
 カフェでは、なるべく安全な食材やフェアトレード商品などを扱っていた。事故後、水道水からヨウ素が検出され、今までとは違って野菜や水を西日本から取り寄せるとなると、コストが上がり店は続けられないなと。ならば自分たちで農産物を作ろうと思い、縁あって東村に来た。
 ハーブさえ育てたことがないのだが(笑)、農業に詳しい知人らに助けられながらジャガイモ、ニンジン、大根、絹さやなど種類だけは豊富に夫と農作業に取り組んでいる。
 〈テレビはなく川で衣類を洗い、ニワトリが庭を歩き回る。目指す暮らしとは〉
 ここへ来て人と会わない日もあれば、アスファルトさえ踏まない日もある。新しいことを始めることは、勇気がいることだが、すがすがしい気持ちでもある。
 モーイや島豆腐など、沖縄の食べ物はおいしい。うりずん豆はフリッターにすると美味。沖縄の野菜は今後もっと必要とされる。
 神奈川にいた時、2年ほど地域通貨に取り組んでいたことがある。地域通貨の広がりには、1次産業が大事。1次産業が活性化されれば、活路は開けるのではと思い、今友人らと「かわいい野良着を作ろう」と盛り上がっている(笑)。
 食べ物はお金の代わりになる。農業と医療さえしっかりしていれば、お金はいらないかもしれない。
 〈福島県生まれで、育ちは栃木県。今も親戚が福島に住む。原発に頼らない電力にも関心を寄せる〉
 生活や仕事を考えると避難したくてもできない、ということはよく分かり、心が痛い。それ故に思考停止状態になっている人も多いと思う。きちんと国が補償したり、東電の資産を分配したりといったことはできないのだろうか。
 大量発電ではなく、送電線を分割してその土地にあった風力、水力、太陽光などの発電方法がないか、知恵を絞ることが大事。
 高江の米軍ヘリパッド建設反対で、座り込みをしている人たちに時々差し入れを持っていくが、「お金より命」という当たり前の考え方に共感する。
 〈沖縄に避難してきた人たちなどでつくる、食の安全を考える団体「ティダノワ」のメンバーでもある〉
 まずは知ることから始めようと、内部被ばくの勉強会を開いている。来る3月11日に、歌手のUA(うーあ)らを中心に名護市の21世紀の森公園でイベントを開催する。多くの人に被災地や食について関心を持ってほしい。
(聞き手 知花亜美)


歌手のUAといい、多くの人が原発事故を契機に沖縄に移住している。沖縄移住40年になる僕なのだが、娘の世代が「未来世代の責任」を感じ様々な取組みをしている。この新しい動きが沖縄の明日をつくる礎となるのではないかと思う。来る3月11日の名護市の21世紀の森公園でイベントで、そんな方々とお会いすることが出来ることをなによりも楽しみにしている。



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Posted by 高橋進 at 11:32│Comments(0)脱原発
 
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