2012年07月19日

地中からの叫び!②未来へつなげる沖縄戦の戦後処理

地中からの叫び!②未来へつなげる沖縄戦の戦後処理

琉球新報7月12日(金)


昨日、糸満CFMの「ビタミンFM」具志堅隆松さんの7月14日(土)放送分の内容をアップしようとして、操作を間違えて文章が全部消えてしまいました。(-_-;)

1時間の番組を原稿起しすのに、その何倍の時間がかかります。
なるべく発言の趣旨を汲み取りながら文章にしていくことを旨として放送開始以来続けています。

具志堅さんの今回のインタビューの趣旨は以下の3点
①朽方精さんのこと、172体の遺骨から遺族の元に返れたのは朽方精さんだけだった。(DNA鑑定の今後の可能性)
②沖縄戦をどう伝えていくか(真嘉比小学校の例)
③雇用対策としての遺骨収集事業(真嘉比のハーフムーンの遺骨収集作業は国の緊急雇用対策によって行われ、その
 作業にあたったのは、ホームレスの方々だった。)

朽方精さんのこと
沖縄戦で初めてDNA鑑定で遺骨が遺族の方に帰ることができたのが、朽方精さんという方なのですが、慰霊の日の前の6月21日に那覇市真嘉比で遺族の方に、現場を訪れることが出来たのです。どこから遺骨が出てきたかを示すことができました。お花と線香を立てることができたのです。発掘当時は、大木の根に抱かれるように亡くなっていたのですが、今は道路の中央分離帯になったところでになっています。この真嘉比で見つかった遺体は、172体なのですが、朽方精さんだけが遺族の元に帰ることが出来いました。

道路が出来て生活に便利になることと引き換えに、その場所がかつて激戦地であったことすら解らなくなる。この場所をもっと皆に知らせる必要があったのではなかったか、今だ疑問に思うことがあります。

都市の中から沖縄戦の痕跡が、消えていくということに危機感があります。

遺骨収集作業の中で記録を取ること
真嘉比では2ヶ月間日々記録を取っていたのですが、その記録内容は、どの場所から大腿骨が出てきたとか、小銃がどこから出てきたかとか砲弾の破片がどの様に

沖縄戦の体験者の話を聞くと「1発撃つと100発打ち返してきた」といった発言があるのですが、少し大げさな気がしたのですが、今回記録を取ることによってこの話が事実であったことが裏付ける結果になりました。日本兵の発射された薬きょうがあまりに少ないのです。ある蛸壺の日本兵の発射した薬きょうが5発で米軍の発射した薬きょうが511発だったのです。これはまさしく証言と一致する結果が出たのです。

シュガーローフの戦い(安里給水塔)
おもろまち駅の反対側の現在のおもろまちDFSの道向かい側の給水塔のある丘通称シュガーローフの攻防は、沖縄戦最大の死闘が米軍と日本軍の間で行われた地なのですが、そのシュガーローフの遺骨収集を行政に打診した時には既に工事が始っていたのです。その時は遺骨収集を実現させることが出来なかったのです。現在はここが沖縄戦の最大の死闘が繰り広げられた地であるとの痕跡が簡単な解説板があるだけで何一つもありません。

真嘉比の通称ハーフムーンでは現在の駅のロータリーの南側に戦車のキャタピラと駆動輪が出てきました。それと、日本兵による米軍の戦車を破壊する為の火薬を詰めた箱が幾つも見つかりました。この箱を持って戦車の下に潜りこんで爆発させ自らも爆死することによって、戦車の走行を不能にするといった武器なのですが、その箱を発掘したした時にこれで戦車に立ち向かっていたのかなと何だか虚しいものを感じました。

沖縄戦の記憶を継承させること
真嘉比小学校の生徒が現場に見学に来たのです。大人でも蛸壺に小銃を抱えたままの遺骨を見せるといったことに抵抗を感じるのですが、まして、小学生にという感がしたのですが、子ども達が来た時にこの体験もいいなと思ったのです。「大人でも遺骨収集の現場を見た人はほとんどいない。まして君達のような小学生に蛸壺に小銃を抱えて亡くなった遺骨を見るというのは、沖縄戦の新たな証言者が出来たということになります。この真嘉比がかつて激戦地であったそうだ。ではなく、確かにこの場所が沖縄戦の激戦地であったと言えることが出来る。」と子ども達に話を致しました。「本土の人で沖縄戦を知っている人は沢山います。本屋や映像資料や証言者の聞き取りによって知識の沖縄戦であって、君達は蛸壺に小銃を抱えたままの日本兵の遺骨を見ることによって沖縄戦を知識ではなく、体験の一つとして沖縄戦の証言者となったと思う」と言ったのです。

未来へつなげる沖縄戦の戦後処理
実は、広範囲の開発に伴う整備事業では、ボランティアで仕事の休日を利用して遺骨収集をすることは難しい訳です。
真嘉比の例でも都市計画の中で期日が決められている中で、毎日、遺骨収集を続ける方法がないかと考えたのです。
そうして周りを見回すと失業者やホームレスがいる訳です。ホームレスの生活支援をしているNPOを訪ねて話を持ちかけて実現いたしました。

出来れば、南部の市町村に沖縄戦の遺骨収集に関して、この遺骨収集を企業に回さず、雇用対策として実施してもらいたいと市町村会に呼びかけています。国は資金を出すと言っているのですから。

遺骨収集は国の責任で実施することは当然なのですが、この事業を自治体は企業に丸投げしないで、雇用対策として、我々県民が知恵を出し合って弱い立場の人を救う方法があるという事を最後に言いたいですね。




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Posted by 高橋進 at 17:47│Comments(0)ビタミンFM
 
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