2016年07月29日

ここで土になる

ここで土になる
ここで土になる 大西 暢夫

7月16日の放送は大西 暢夫さんの写真集「ここで土になる」を紹介致しました。
写真集や絵本を番組で紹介するのはすごく難しい。3.11の際に詩集「第二楽章 福島から」を朗読したののですが、後で、吉永小百合の朗読を
CDで聞いたのですが、とても、とても、足元にもおよびません。

それにも懲りずにに今回も「ここで土になる」を朗読いたしました。
糸満は祖先を敬う気持ちや旧暦などが残る沖縄でも数少ない地域です。この糸満から電波に乗せてこの写真集を紹介できるのは素晴らしいと自画自賛です。

さて、7月の音楽の特集は、ザ・ビートルズ来日50周年を記念して、ベストシングル1からお送りしています。

ここで土になる


熊本県五木村頭地地区田口。半世紀前、宿もあるほど賑わっていたこの村を流れる川辺川の上流にダムを建設する話が持ち上がり、反対していた人々も上の村へと移動します。そんな中、尾方さん夫婦だけは残ります。
この村には大きな銀杏の木があり、その洞で即身仏となった安心和尚の伝説を持っています。尾方さんたちはその木とお墓をお守りしたいと思っていたのでした。
その銀杏の木も移転することとなり枝が落とされ根っこも切られたとき、尾方さんも移動を決意します。が、ダム建設は中止。
残ったのは尾方さんたちしかいない壊された村と、人間に切られ、銀杏も実らなくなった老いた木。
移転開始の頃から取材に入っていた大西は、生き抜く銀杏と尾方さんたちをとり続けて、この写真絵本が出来ました。
そこに言葉を添える必要はありません。大西が記録したその銀杏と尾方さんたちの表情を眺めているだけで、様々な思いがわき起こります。怒りも、むなしさも、悲しみもありますが、そこに生きる物と者の力も感じ取る事が出来、希望もわいてきます。
写真の持つパワーが伝わります。
大西暢夫の重要な仕事の一つとなるでしょう。

そして来週 7月30日、8月6日のゲストは糸満市に陶器工房「結」の賀数郁美さんをお迎えしてお送りいたします。



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Posted by 高橋進 at 14:45│Comments(0)ビタミンFM
 
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