2016年07月01日

ミツバチから教えてもらったこと

蜂屋のこだわり    仲村養蜂・仲村忠明さん



ミツバチは環境指標動物と言われています。まさにその通りだと思います。
野山に花が無ければ、蜜や花粉を集める事ができず、ミツバチは生きられない。


農薬に汚染された花の蜜や花粉をせっせと集めても、子孫は育たない。
ミツバチがいなくなれば、受粉を頼む植物も世代をつなげない。

花を咲かせ実を結ぶ植物がなくなれば、人も動物も生きられない。

ミツバチから教えてもらったこと
ミツバチから教えてもらったこと


だから、自然のサイクルにミツバチは欠かせないのです。

日々ミツバチと付き合っていると、自然の大切さが良く分かります。



そんなミツバチたちが集めてくるハチミツは自然からの大切な贈り物です。

季節や場所や蜜源が変わればおのずから様々な個性の色・味・香りのハチミツが生まれます。


その違いを真っ先に楽しめるのは、わたしたち蜂屋の特権です。
それを、そのまま皆さんに伝え、それぞれの持ち味を味わっていただきたい。
そのために、健康で力強いミツバチを育てたい。と、蜂屋のわたしはこだわっています。


ミツバチから教えてもらったこと





本当のハチミツって何だろう



天然の生ハチミツには80~140種類の酵素と、アステロイデス菌・インジカム菌という2種類の乳酸菌(最近の研究では4種類の乳酸菌)が生きています。何も加えず濾過しただけの生のハチミツを『ローハニー(rawhoney)』と呼びます。生きた完熟ハチミツは自ら保存する力を持っているので腐ることがありません。(高い糖度+適度な酸度+たくさんの酵素などの相互作用で雑菌の繁殖をブロックします。)

ミツバチが、花の蜜(糖度20%~50%)を集めて蜜胃と巣房(ハニカム)で糖度75%以上に濃縮し、最後に巣房に蓋をして完熟したハチミツを作り上げる。その生きているハチミツ成分の酵素と乳酸菌は、45℃以上に加熱すると壊れてしまいます。

しかし、日本の市場で流通しているハチミツのほとんどは加熱処理されているため同じハチミツと言っても中身は全く違うものになっているのです。もちろん風味も別物です。スーパーなどで流通している市販のハチミツの95%以上は輸入蜜(中国85%・南米欧州オセアニア10%)で、国産は5%。そして、そのほとんどが加熱処理されています。天然由来で非加熱のハチミツは、全流通量の0.08%以下と言われ「全く手を加えない非加熱生絞りハチミツ」は、国内ではとてもめずらしい貴重なハチミツなのです。

天然生ハチミツとは



蜂箱から抜いた蜜枠を遠心分離機で絞り、網でろ過しただけで一切の加工をしていない生ハチミツにはいくつかの特徴があります。

◯さわやかな・酸味・香り・甘味が場所や季節によってそれぞれ違うので、個性が楽しめます。
◯容器を落としたりすると、衝撃で生ビールのようなクリーム状の泡が出る事があります。
◯気温15℃以下で白い澱のように結晶化することがあります。それは蜜成分のブドウ糖が結晶したものです。ハチミツはブドウ糖と果糖が主な成分ですが、植物の種類によってバランスは様々で、蜜源によって結晶化しやすいものとしにくいものがあります。
◯結晶化したハチミツは熱を加えることで再び溶解します。適温は45℃です。お風呂に入るような温度が適温なので、容器ごとジップ袋に入れて湯船に浮かべて置くのが良いでしょう。
◯乳酸菌や酵素の働きを活かしたまま加熱加工する場合は、45℃以下で行うと風味を損なわずに味わえます。


現在巣箱は県内3カ所、浜比嘉島・豊見城・首里に置かれていて、季節や巣箱によって変化する風味が毎回楽しみです。
どこのハチミツが届くかは、届いてからのお楽しみです。


ミツバチを真ん中においた地域おこしプラン

首里では地域おこしでミツバチプロジェクトが昨年からスタートした。
ミツバチから学ぶことは多い。僕は南城市の農業の課題と対策について、ミツバチを真ん中においた政策を提案した。
南城市は個人宅の庭を解放して、オープンガーデンが盛んな地域だ。その庭に蜜源となる樹木を植えてもらう。
公共施設や小中学校にも蜜源となる樹木を植えてもらう。

ミツバチから教えてもらったこと


ミツバチがその蜜源を求めて南城市の空を舞う。ミツバチは湧き水を飲みながら飛行する。南城市には、名水が沢山ある。その名水の水質を守り、水源涵養林を蜜源となる樹木を植えていく。受粉した樹木はやがて果実を実らせる。それを収穫して蜂蜜と組み合わせた南城市の名産と組み合わせた新しい名産を作る。

ミツバチから教えてもらったこと


受水走水は沖縄の創世神話に出てくる地にある湧き水だ。稲が創めて沖縄に伝来した地だ。その湧き水を使って稲を作っている。
その米で酒を作ったらいいのではないか。ミツバチの受粉により瑞穂はたわわに実り、その酒は神様からの贈り物だ。

全てミツバチとコラボレーションした地域づくりだ。

久しぶりにワクワクした感情で地域おこしを考えた。





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Posted by 高橋進 at 11:34│Comments(0)地域活性化
 
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