2011年11月15日

「もしドラ」を聴きに行く 岩崎夏海講演会

「もしドラ」を聴きに行く 岩崎夏海講演会


11月19日「もしドラ」の著者の岩崎夏海氏の講演会を浦添てだこ小ホールであったので聴きに行ってきました。

この日は「ビタミンFM」の放送があり、開演午後3時~5時ではちょっと放送に間に合わないのではと、後半は時間が気にって仕方がなかったのですが、是非、驚異のベストセラー作家岩崎夏海(2011年8月現在255万部、電子書籍15万部を突破)「もしドラ」の著者の話を聴いてみたくって出かけました。土曜日に興味のある講演会や勉強会が重なるとほとんどの場合番組の時間に間に合わなく、パスをするのですが、今回は車の駐車する位置など講演が終わったら直ぐに糸満へ向かえるようにと車を止めて万全の体制で講演会を聴きにいきました。

結論から言うと、ドラッガーの著書や「もしドラ」を読んで、何かを期待して講演会に参加した方には、ちょっと肩透しの講演ではなかったかと思います。(これはあくまで個人の見解ですが)混沌とした時代だからこそ、「もしドラ」から学べるものはないか、言い換えれば、ドラッガーのマネージメントの本質とは何か、経営者や経営幹部だけではなく、多くのビジネスパーソンにとって、ドラッガーのビジネスの原理原則を立ち返ることによって、そして、行動に移すことによって、社員一人ひとりが生き生きと働くことによって、企業が活気にふれ、ひいては社会全体が活力に満ち沖縄が発展していくのではないかとの期待を僕は勝手に思っていた訳ですが・・・。

「もしドラ」のNHKのアニメ化や映画化など本だけではなく、社会現象にまでなった。ダイヤモンド社のドラッガーの本が累計600万部を越えるなど、難解なドラッガーの本がこれほど売れるということを考え合わせると、岩崎夏海氏の「もしドラ」の日本や沖縄に与えたインパクトを大きいものであったはずです。講演の中で岩崎氏が「もしドラ」を書いている時のエピソードに触れ、「これを書いている時、何かが書かせている」と。そして、「200万部以上売れる」と予感めいたものを感じたと言っていました。


どうして「もしドラ」を書いたか
自己を知る難しさ
地域や個人がモヤモヤとした不安を抱いているのではないか。その不安の元というのは、自分の住む地域や自分自身を一番知っているのは自分だといった思い込みがあるのではないか。福岡に講演に行った際に、「福岡の良いところは何か」との質問された。気候が温暖で、東京に比べて地価も低く、コンパクトな街として、交通の便良くって、住みよい街ではないか」と答えた。福岡出身の彼は「そんなことを聞いているのではないと」と言った。嘘をいう理由がないので本当のことを言ったのだが信じてくれない。彼は「福岡はそんな良いところではない」と言うのです。もう一人の人が福岡の良いところは解るという。彼は広島の出身で大学が福岡だった人だった。

その時思ったのは、自分本位で地域の事は一番自分が知っている。とか、自分の事は自分が一番知っているといった思い込みが客観的に事実を見ることが出来なくなっている。

長所を生かすというのは、まずは、その長所を生かすことから始るわけですが、一つの例なのですが、自分はかけっこが早いのですが数学が80点取れるから、数学の道に進むと考えがちだが、数学の得意な人は他にも沢山いる。90点取る人もいれば、100点取る人もいる。彼の強みというのは、数学ではなく、かけっこではないか。そういった判断が出来るかが分水嶺になるのではないか。

自分を知るということは、鏡に写った自分と写真の自分は微妙に違う。あるいは、録音した声を聞くと、本当に自分の声かと思うことがあります。そういうものなのです。人間は自分のことが一番解っていないという前提がある。敵を知り、己を知るということなのですが、己を知るということは、前提として己の事を知らないのは自分だということからスタートしなければならない。

自分の会社や地域、そして自分といったものに対して一番知らないのは自分だということに気づかされたのです。

ドラッガーのマネージメントに必ず問題になるのは、まず、自分のことを知りましょうということなのです。いくつか方法があるのですが、その方法の一つがアンケートを取ることなのです。長所と短所を聞いて下さい。聞かれる立場からすると長所だけ、短所だけというのは本音が出にくくなる。自分の長所ということを知ること、その長所を人生に生かしていくことで成功が近づくのではないかと思うのです。まずは自分を知る事。そして、自分の会社はどうか、社会はどうかということを知って欲しいのです。

素直さと謙虚さ
岩崎氏は「ゆとり世代」の若者に欠けていることは「素直さと謙虚さがない」と言う。その世代は、成長する時には痛みをともなうといった事を体験していない。言い換えれば苦しいと思える先に成長が待っている。その苦しみから逃れることや、自分の能力を越えるかもしれない問題や課題に直面しても、苦しいからとか面倒くさいといって逃げている世代に向けて「もしドラ」を書いた。「もしドラ」はドラッガーのマネージメントののことを紹介する本であるのだが、一人ひとりがどう成長していくかという物語だ。マネージメントは教育と正反対にあり、マネージメントは強み(長所)を最大限に生かして成果を作るに対して、教育は弱点(弱み)を補修し世の中へ出す為に行なっている。しかし、マネージメントを徹底的にすると、ある時、その弱点を克服していく。

その長所とは何か、それは、ドラッガーでいうところのマーケッティングだ。ほとんどの場合、自分の長所は何かということを自分では解らない。曇りのない目でみることが出来ない。それはプライドが邪魔をしているからだ。そのような前提で、ドラッガーは他人に聞きなさいといっている。長所と短所を一つづつ聞いてみる。その長所を生かすことによってうまくいくのである。

そして、もう一つのマーケッティングとは「何を持って人に覚えられたいか」自分が死んだ後に自分がどう言われたいかを考えることだ。

僕は37歳まで自分自身が価値がないことに気がつかされた。
ある人から37歳の時、今、自分が死んでも、何の影響も社会に与えることもなく忘れ去られる。と言われた。その時、お婆ちゃんがよく言っていた言葉を思い出した。「人に役立つことをしなさい」と。「人間そのものに価値がない。人に役に立つことをしないで生きる価値がない」ことに気づいた。自分は価値がなく馬鹿であることから始まり、人の役に立つ事をすることによって、忘れられない存在になる。つまり、私利私欲の正反対の「利他」の精神というものに気がつかされたのです。

講演はこのような時系列の内容ではなかったが、ブログを読んでくれている方に、解りやすく伝えるためにあえて時系列を無視して書きました。講演会から二日経ち、ようやく、どの様にまとめブログにアップするかを決める事が出来ました。それと同時に、あらためて、「もしドラ」をもう一度、岩崎夏海氏の伝えたメッセージを考えながら読み始めました。



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