2012年03月22日

沖縄高専独自の銘柄 泡盛「香仙」学びに感謝

沖縄高専独自の銘柄 泡盛「香仙」学びに感謝

沖縄高専独自銘柄の泡盛「香仙」を造った新城綾樹さん(前列左から2人目)、島袋今日子さん(同3人目)と来年の酒を仕込む4年の学生ら=15日、名護市大中の津嘉山酒造所


古酒表示違反などで、暗いニュースばかりではちょっと辛い。

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 【名護】国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専、伊東繁校長)生物資源学科を卒業する5年生40人が仕込みからラベル張りまで手作りした独自銘柄の泡盛「香仙(こうせん)」が、卒業式に合わせて17日から販売される。最終学年となる5年生の1年間、学生たちが熱意を込めて造った泡盛は柔らかな香りが特徴。製造に関わった学生たちは「香りを前面に出した。ぜひ味わって」とアピールしている。
 玉城康智教授(発酵学)の提案で津嘉山酒造所(名護市大中)、那覇酒類販売(浦添市)が協力。2011年3月から造り始めた。泡盛造りに使う黒麹(こうじ)菌は通常、味の成分を出すものと香り成分を出すものを混ぜるが、「香仙」は香りを出す一種だけで仕込んだ。
 高専5年の新城綾樹さん(20)は「泡盛に限らず何もない状態から作るのは大変で、多くの人の協力で出来上がった。モノを作る難しさ、協力してくれた人への感謝の気持ちを学べた」と振り返る。
 「香仙」の名前を考えた島袋今日子さん(20)は「沖縄高専をアピールしたくて、音(こうせん)を決めて合う字を考えた。自分たちで造っただけにほかの泡盛より深い味がある気がする」と完成を喜ぶ。
 卒業する生物資源学科からの贈り物として、式の後に開かれる学生主催の卒業パーティーで他の卒業生にも振る舞う。
 玉城教授は「実験室で少量の製造は経験があるが、実際に学生に酒造りを体験してほしかった。現在の4年生も泡盛造りを始めており、高専ブランドとして継続したい」と話した。
 「香仙」は当面名護市内の小売店で販売される。720ミリリットル(30度)が1600円(税別)、1800ミリリットル(43度)が4571円(同)。

沖縄高専独自の銘柄 泡盛「香仙」学びに感謝



金口木舌より転載 古酒はいいものになると「色は淡い黄色。水のように清く、気高い風味だけを残す」という。古波蔵保好さんの「料理沖縄物語」がこう記す。美食家で知られる尚順男爵を訪ねた際、杯に一杯だけ振る舞われたそうだ
▼そうした特別な酒から普段飲むものまで、泡盛も多種多様だが、一つすてきな銘柄が加わった。国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)の学生が造った「香仙(こうせん)」。香りの高さは決して名前負けしていない
▼ほとんどの工場で機械化された泡盛造りを、昔ながら手作りの方法で仕込んだという。造った学生は言う。「もの作りの大切さを知った」「他の泡盛より味が深い」。文字通り手塩にかけた酒。愛着の深さはひとしおだろう
▼ことし開校10年を迎える沖縄高専は、地元と連携したもの作りに力を入れている。泡盛以外にもヤギの薫製など、名護らしさを前面に出しているのが特徴だ。学校自体が人材と知恵を提供する「公共の財産」として形を結びつつある
▼そうした財産を生かせるかどうかは周囲の大人次第。「香仙」をじっくりたしなみ、若者たちの熱意を後押ししてほしい
▼山原島酒の会の島袋正敏さんによると、古酒造りは50年、100年先を見据えた「世代を超える文化継承」だという。学生の造った泡盛も今は新酒だが、酒に込めた思いとともに、新たな名護の文化として気高く熟成させたい。





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Posted by 高橋進 at 17:46│Comments(0)泡盛
 
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