2012年01月25日

日本一の山 日本一の旅館

石川県の金沢に老眼鏡だけを作るメーカーがある。「DUAREX」社だ。この会社のオーナーとは長い付き合いで、もう30年間の付き合いになる。この老眼鏡の会社をつくる際にお手伝いをして毎月金沢に行っていたのだが、前から石川県に気になる旅館があり一度泊まってみたいと思っていたのだが、ついつい利便性のあまり、金沢駅周辺か香林坊の宿が定宿となってしまう。まあ、遊びに金沢に行っている訳ではないのだが。一度は「加賀屋」に泊ってみたいものである。

その石川県の和倉温泉の旅館「加賀屋」が32年間連続でプロが選ぶ日本のホテル・旅館百選一位に選ばれた。

2010年12月に台湾に「日勝生加賀屋」がオープンした。そのオープンの模様をかなり前だがNHKのドキメンタリーで観た。日本流の「おもてなし」の心が従業員にどう伝えるか大きな課題となって浮かび上がってくる。日本人にはごく当り前の気配りが台湾の従業員に理解されない。日本文化と台湾(中国)文化の間で揺れ動く日本人支配人の姿が印象的であった。

その日本人の「気配り」「おもてなし」の心の究極といっても過言ではないのが「加賀屋」のサービスといえる。加賀屋の女将小田真弓さんはインタビューで「マニュアルがあるが、その通りだと60点~70点程度。笑顔で気を働かせるが大切だ。客を部屋に案内する間に自分の背丈と比べて浴衣の寸法を目で測る。お茶やおしぼりを出したりしなが旅行の目的を把握し、記念日なら祝い料理やケーキを用意する。相手の立場で物を考える訓練を毎日している」と。32年間連続日本一のプレッシャーはないかとお質問に「ある。不安もあるし、こういうの(ランキング)はどうかと思うが、皆が日本一を目指して頑張ろうという気持ちが伝わってくる。日本一高い山を聞かれると富士山と答えるが、2番目は答えられないのと一緒。商売を続ける以上はそこを目指したい」と答えている。

「加賀屋」の先代の女将小田孝(おだたか)の著書「元気でやっているかい」の中で、「加賀屋」のおもてなしの原点についてこんなエピソートを記している。

何がなんでも一流旅館に・・・。
大失敗が、私の頑張りの
出発点となりました

確かに部屋もよくありませんし、すべてが上客を迎えるのに値しない旅館でした。情けない、何ともいえない気持ちで、部屋から出てきて一人になると、ドッと涙があふれ出ました。

この失敗を補うには、あとは料理しかないと、めいっぱいといっていいほどの料理でもてなしました。翌朝、帰り間際に、「あんなに料理を出されたって、食べきれるもんでない」と、文句をいわれましたが、幾分か、心も柔らいでいてくれたようでした。あとで、うちに泊られたその方は、ニッサン肥料の社長さんだと聞かされ、冷や汗が出る思いでした。

「これからは、ふんばって、何が何でも一流の旅館にならなければ―。そして、来てくださるお客さん一人残らずに、ちゃんと、お出迎えとお見送りをしなければ……」と、この一件の出来事が、私の頑張りの出発点となったのです。疲れて手抜きをしたくなったこともありました。「これでいいや」と弱気になることもありました。その度に、この日のことを思い出し、私自身を奮い立たせてきたのです。

戦後、そこそこの体裁をなした頃、再びお泊りいただき、帰り際に、「立派になったね」と言われた時は嬉しくて、嬉しくて、「これもすべて、あの日の教訓のおかげです」と、涙しました。人の縁と申しますか、その方々には今も親しくご愛顧いただいております。


先代の女将小田孝そして、小田真弓から学ぶべきことが多い。

プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選の中で、観光施設・土産部門があるのだが、沖縄からポルシェ・御菓子御殿が県内初の土産部門8位に選ばれた。



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