2016年05月14日

梅開早春

二つ年上の兄の葬儀の際に若い僧侶が言ったことがいまだに心に残っている。
この僧侶は道元の教えをまるで僕に語りかけるように話をした。

「春が来たから梅が咲くのではない。梅が咲くから春が来たのだ」と。

正法眼蔵「梅花」巻の言葉だ。梅は早春を開く。
梅開早春

ばくぜんと、春が来るから梅が咲くと思っていた。しかし、この季節観は自分本位のあまりにみ一方的であることに気がついた。
梅の花が咲くことによって春を招いているのだと僧侶は言ったと思っていた。
しかし、僕は兄が亡くなってから4年間この言葉の意味を考えていた。

娘の結婚式のとき、娘が僕に手紙を読んでくれた。「生んでくれてありがとう」そして「育っててくれてありがとう」
僕は万感の思いで娘に「生まれてきてくれてありがとう」そして「育てさせてくれてありがとう」と互いに感謝し合える至福の時でした。

親がいるから子がいて、子がいるかんら親がいる。
花が春を呼び、春が花を目覚めさせる。そんな関係が季節を美しくしているのです。
互いに感謝できることの美しさも、簡単には成り立ちません。

だから「ありがとう」は「有り難う」なのです。






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Posted by 高橋進 at 14:47│Comments(0)名言集
 
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