2011年09月24日

ランチェスター弱者の戦略

ランチェスター弱者の戦略福岡にある印刷屋さんが出している小冊子です。有限会社筑紫印刷さんは、『ランチェスター戦略研究会で「弱者の地域戦略」を学んだ後、実際に地域戦略を実行しました。643社のエリアに絞って180社の顧客を開拓することができました。

この地域戦略実行準備小冊子の元は、A4の地域戦略ファイルです。ランチェスター経営㈱の稲田先生のアドバイスをいただき、筑紫印刷が地域戦略の準備した時の資料をひとつのファイルにまとめたことが始まりです。

ランチェスター弱者の地域戦略を学んだ後、なかなか実行に移しにくいということを知り、この小冊子をつくることになった。』有限会社筑紫印刷社長高橋英治さんはこの小冊子で語っている。

高橋日記の中で、ビジネスにあまり関係がないことが多く紹介させて頂いていますが、この小冊子を紹介しながら、自分のビジネスについてちょっと紹介したいと思います。

このブログでたびたびビタミンFMの番組の内容を記していますが、ビタミンFMは糸満市にあるFMたまんで毎週土曜日の午後6時から1時間の生放送をしている番組の名前です。ビタミンFMは、当初、糸満にある酒造会社のコンサルティングをしたことがきっかけになり、新商品泡盛「糸満美人」の商標権の取得を弊社が行いました。ランチェスター弱者の戦略その販促の一環として、「糸満美人ドットコム」という番組タイトルから始まりました。地域資源であるその土地の持っているオリジナル性を発掘し、再評価することから「糸満美人」の商品化が始まりました。「仕事を通じて人間力を磨き社会に貢献するいい会社を創ろう!」という番組が始りました。そして、3月に「ビタミンFM」というタイトルに変更し現在に至っています。

そして、10月に番組1周年を記念して新しい取り組みとして、この番組を那覇エリアでも聞けるようにと那覇のコミュニティー放送局に声を掛けております。

ここで聞きなれない言葉が冒頭にあるのですが「ランチェスター弱者の戦略」ウィキペリディアによると経営学への応用 として、日本におけるランチェスターの法則は経済的な関心から知られており、1955年に『オペレーションズ・リサーチの方法』が翻訳出版されてから、ランチェスターの理論を競合する大企業に対して中小企業がとるべき経営戦略、営業戦略に応用したものをランチェスター経営などと呼ばれるようになる。

ランチェスターの法則の式を見ると、もし初期の兵員数を変えることができないとしたら、勝つためにはEを増やす、つまり性能のよい武器を使うことが重要であることがわかる。しかし、それ以上に大切なのが、第1法則と第2法則のどちらを使って戦闘を行うか、ということである。

強者戦略
第1法則と第2法則を比較すると、A軍の損害は、第2法則を適用したときのほうが少ない。よって、強者であるA軍は、できるだけ軍力を残すように第2法則を適用できる戦場で戦うべきである。

マーケティング戦略
マーケティング戦略においては、様々な分野に手を伸ばすことで、間隙を突いてのし上がろうとする他社の行動を防ぐことができる。
一般化して述べれば、強者のとるべき戦略は追随戦略で、敵と同じ性能の武器を持ち、広い戦場で、多対一で戦い、遠隔戦を行い、力を総動員して圧倒することである。
弱者戦略
第1法則と第2法則を比較すると、A軍の損害は、第1法則を適用したときのほうが多い。よって、弱者であるB軍は、できるだけA軍を倒せるように第1法則を適用できる戦場で戦うべきである。

すなわち、実際の戦闘で言うならば、桶狭間の戦いにおける信長軍のように狭い谷間のような場所に軍を進め、たとえ銃や大砲を使用しても一人で多数を攻撃不可能な状況にして、接近戦・一対一の戦闘にもっていけば、A軍の損害を増やすことができる。ガッツ石松がヤクザ8人を一人で倒したときにも、この戦術が(本人が意識していたかは定かではないが)使われている。もちろん第1法則においても、多数であるほうが優勢であるのは間違いないので、敵を分散させて各個撃破していく事も大切である。

マーケティング戦略
マーケティング戦略においては、一つの特殊な分野に特化することで、そこまで手を回す余裕のない大企業の隙(ニッチ市場)を突いてのし上がれる。一般化して述べれば、弱者のとるべき戦略は差別化戦略で、敵より性能のよい武器を持ち、狭い戦場で、一対一で戦い、接近戦を行い、力を一点に集中させることである。
ただし、「武器性能の向上」「各個撃破」は、マーケティング戦略では「ひとつの分野に集中する」事に相当するが、「第1法則を適用できる戦場で戦う」というのはマーケティング戦略においては具体的に何を指すのかは、難しい所であろう。軍事理論をマーケティングにそのままあてはめるのは、なかなか困難な事である。

ウィキペリディアは、この軍事理論をマーケッティングに応用する困難さを指摘しているが、この小冊子では、具体的な実例を持って成果を獲得したと。この小冊子を読んだ後に、高橋さんにメールをして色々質問をさせて頂いた。それによると、設定したマーケットシェアー(市場占有率26%)の獲得と、その目標額の達成度がなんと104%に達したとのことである。弊社も勝山シークヮーサーの地域戦略とマーケッティング戦略の講義をした際に、うるま市の不動産屋さんの「ハート住宅」の長浜豊氏を招いて講義を行なった。

「ランチェスター弱者の戦略」の活用は前出の「糸満美人」のマーケッティング戦略の際にも応用した企画を提案したのですが、実践という意味では高橋さんが指摘している通りである。この小冊子は、その困難さに工夫を加えて、実例を示した実用書として非常に貴重な小冊子といえる。





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