2012年01月20日

SPEEDI情報 米軍に提供

『熱風8号』「スタジオジブリは原発ぬきの電気で映画をつくりたい」の中の対談で、「この事態の中で政治は何ができるのか?情報を出さないことで、パニックが生じる。」の中で、自民党の河野太郎がSPEEDIの情報開示の件でこんなエピソードを語っている。

河野:忘れもしない3月22日ですよ。海外メディアの記者が何かの紙を持ってきて、なんで日本政府はこの情報を公表しないんだと言うのです。「これ何?」って言ったら、「これがSPEEDIだ」というわけです。<中略>海外メディアの記者が持ってきたものが本物だったことがわかった。<中略>

米軍は被災地支援ということで空母ロナルドレーガンを派遣したが、被災地から姿を消した。米国は立ち入り禁止区域を80kmとしたが、その当時の駐日大使は、「日本政府の対応に考慮して80kmとしたが科学的知見によって判断をしたら、もっと大きな範囲にしたかった」と述べたことを記憶している。

米国政府の判断は、SPEEDIの情報をもとに判断をしたものと言える。
福島原発事故の際、その後の国の対応は終始「今すぐに身体に影響をおよぼすほどではない。」と発言を繰り返した。知りたい情報を2ヶ月も隠していた事になる。信頼できる情報もなく、多くの人々はインターネットやBSなどの国際放送によって福島原発の放射線の拡散情報を得ていた。

その様な状況の中で、沖縄に避難をしてきた家族を世話をしたことがある。先の見えない放射能の拡散の中で、帰るめどすら立てられない中、子どもたちの卒業式をひかえる状況の中まずは家族を守ることを選択したのだ。友人は、僕に3家族を託して、仕事に戻る為、那覇空港から羽田へ直ぐに戻ったのだ。その時のことを思い出す。SPEEDIの情報は信頼に足りないという事で公表をしなかったと官僚が言っている。では何故、米軍にその信頼のおけない情報を事故後直ちに報告し国民には公表しなかったのか。

拭いきれない政府や官僚への不信感。原発事故後の初動段階でSPEEDIの情報をもとに政府が避難指示を出していればと思う。昨年のブログ『捨てられた国民』をもう一度読んで欲しい。

NHKニュースHPより転載

SPEEDI情報 米軍に提供
東京電力福島第一原子力発電所の事故原因を究明する国会の「事故調査委員会」は、初めての本格的な質疑を行い、参考人として招致された文部省の担当者が、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムによる予測データを、事故の直後に、アメリカ軍に提供していたことを明らかにしました。

国会の事故調査委員会は、16日、政府の事故調査・検証委員会の畑村委員長や東京電力の事故調査委員会の委員長を務める山崎副社長らを参考人として招致し、公開で初めての本格的な質疑を行いました。この中で、文部科学省科学技術・学術政策局の渡辺次長は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムで、事故の直後に行った予測のデータについて、外務省を通じて直ちにアメリカ軍に提供していたことを明らかにしました。SPEEDIのデータは、文部科学省が「実態を正確に反映していない予測データの公表は、無用の混乱を招きかねない」として、一部を除き、事故の発生から2か月近く公表しませんでしたが、アメリカ軍に提供した理由について、渡辺次長は「緊急事態に対応してもらう機関に、情報提供する一環として連絡した」と説明しました。また、質疑では、事故調査委員会の石橋委員が「平成19年の新潟県中越沖地震の経験がありながら、東京電力は、地震と津波に対して、対応が甘かったのではないか」と指摘したのに対し、東京電力の山崎副社長は「事業者として、忠実に対策を取ってきたと思っているが、考えているような前提をすべて覆すようなことが起きた。もう少し考えなければならないということがあるならば、考えていきたい」と述べました。質疑を終えて記者会見した事故調査委員会の黒川委員長は、原発事故の対応にあたった菅前総理大臣や枝野経済産業大臣の参考人招致について、「検討事項に入っている」と述べました。事故調査委員会は、30日に次回の質疑を行うことにしています。



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Posted by 高橋進 at 15:43│Comments(0)脱原発
 
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